ぼんやり生きてた私が「100日後に死ぬワニ」批判に対して考えをまとめてみました/あるいは電通先輩ジャングルガレン説
この記事について
100日後に死ぬワニの件、何を書いても迫真便乗になりそうなのでスルーするつもりでした。が、目に入ってくる意見に対して湧き上がってくる思いが抑えきれず、綺麗に言うなら自分イライラで草なので、考えをまとめて成仏してもらうことにします。
基本スタンスは、エンターテイメントって、多種多様な意見をすべて受け入れる懐の深いものだと考えているので、議論を呼んでいる現状自体が素晴らしいものだという立場です。
目次を見てお察しの通り、多分皆様のご期待には応えられないので、
そのあたり肩の力を抜きつつよろしくお願いいたします。
ご意見が合わない方用に、私が言われたら一番ムカつく画像を用意しておいたので、心の中で「でもそれってあなたの感想ですよね?」とご唱和しながらご覧ください。
人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、
何事かをなすにはあまりにも短い。
中島敦
こんなに俺と地球人で意識の差があるとは思わなかった…!
ミストさん
100日後に死ぬワニ現象把握
まず作者のきくちゆうきさんは、100ワニ以前は結構Twitterで楽しそうに自身の活動を上げられていて、デザインフェスタや個展など精力的に活動していたり、「SUPERどうぶつーズ」という本も出しているようです。
ちなみせっかくなので俺はこの赤の扉を選ぶぜ「SUPERどうぶつーズ」は記事を書く前に読んでみました。正直買うとき1200円は高っけえな前情報なしで買わんでしょと思いましたが、読み終わると、うーんなかなかどうして、充実感があって買ってよかったなと言う感想。
問題がある場合画像は即削除しますが、これも正直、試し読み範囲の第一話時点では、読むの止めようかなと思っていたが、以下のピザの下り以降本領発揮して面白い。
・2016スタートと思えない時代を先取りしたような優しい世界
・ユーモラスでオンリーワン(すぎる)な世界
がじわじわ効いてきます。余談ですが、こういう「ここを過ぎればファンになる」転換点を出版業界はもっと把握して提供するのが近未来では重要になってくると思います。バトゥーキはさぁ三巻まで読めば(1時間バトゥーキの話が続くので略)
絵柄も、最初はギャグマンガ日和みたいな路線かな?と思っていましたが、読んでいて書き込みをみると、あ、これ逆に絵が上手い人が逆に特徴だけ抽出して崩している奴じゃね?と気づきます。
サブカル界隈で流行る前にこれを読んでいた方は、中々質のいいマウンティングが取れること間違いなし、好きな人は宝を見つけた気分になるような漫画でした。
(ちなみにステマ論争に巻き込まれるのはNGなので本記事はリンク無し。AmazonでSUPERどうぶつーズで検索検索ゥ!)
という感じの本なのですが、ここで私が言いたいのは正直この本だけでじゃあ食べていけるほど売れるのか、と言われると私はちょっと厳しいのでは、という認識がスタート地点です。座布団を投げないでください。まだ本題に入ってないです。
その状況下で、ワニがバズリ出したわけです。100日後に死ぬワニの、10日目ぐらいにツイートした「SUPERどうぶつーズ」のつぶやき、記事執筆現在でも、RT300ぐらいで、いいね2000ぐらいです。
🐀🐇🐘超ラッキー🤞
— きくちゆうき (@yuukikikuchi) 2019年12月20日
漫画「SUPERどうぶつーズ」の単行本のKindle版がいまなら330円で買えます☝️
1月3日までの期間限定セールです!
安くなってやったー
気になったら読んでみてください🐀🐇🐘https://t.co/vFeef0b4MF pic.twitter.com/HSvCII9RM9
で、その直後の100日後に死ぬワニの10日目は、RTが1.3万、いいね10万です。
「100日後に死ぬワニ」
— きくちゆうき (@yuukikikuchi) 2019年12月21日
10日目 pic.twitter.com/KTz5fvQYbe
そして100日目まで勢いは上下しながらも衰えず、最終日付近で爆発したと。私はこういう考察をするときに、何より想像力が重要だと考えています。特に作者。作者目線の気持ちを一度考えてみようと思います。
自分なら、人生の転機にどういう行動をとれたのか
私は本職は一ミリもゲームと関係ないことをしてますが、出来るならゲームばっかりしてゲームで稼ぎたいぐらいです。匿名議論だと、人間の屑扱いされてしまいそうですが、ぶっちゃけみんなも好きなことをして生きていきたいですよね?
- 自分は漫画家を志している。
- 一冊自著を出して、コアなファンはついてくれている
- だが、一生暮らせるレベルにはない
- そこに、自分の漫画が理外のバズりをした・・・!
私なら、みなさんならどうしますか?それが想像力であり、議論に必須のポジショニングだと思います。主語も責任もない、意見を言う自由だけ主張する、それは足を引っ張っているだけです。「何かの足し」になって初めて意見ではないでしょうか。
それはトレンドに乗っているだけ。「乗る」とは何か、『ライドンキング』を読んで考え直すことをオススメいたします。 騎乗対象に対する愛おしさを理解し、ある意味征服するという対象へのリスペクトが必要なんだ。
1話無料で読めるよ。草しか生えないよ。
初動考察:"仕事化"の初動について
話がそれました。私ならどうするのか。まずわかんね。からのとりあえずコネのある出版社・宣伝社と相談するしかないでしょうね。私は『価値』と『利益』を近づけるために努力するのは、社会人として当然だと考えています。
そして自分の身に置き換えてみたときもそれは当然で、今まである意味ニッチなところしかターゲットが無かったところに、拡大するチャンスが出てきたら、全力で取りにいくでしょう。断言してもいいですが、人生で二回も三回もこんなチャンスは来ないからです。作者にとっては一つの偶然ではなく、人生の転換点なんです。
そのため、批判の中には理解できるものも相当数あり記事の後半で触れますが、「マネタイズするなんてけしからん」系はホント理解できない=反論しようがないので擬態のセンス◎の梶ちゃんの苦しみを共有しておこうと思います。そういう系は全部、郁斗がサブ垢で書いてるから多少はね?と思い込んで眺めると気にならなくなるのでおすすめです。
なので、20日目以降ぐらいから、宣伝体制が入ったというのは私にとっては批判要素では全くないです。私でもそうする。むしろ作者や宣伝の仕事人としての嗅覚は優れていると思います。(方法論は後述、ここはタイミングの話です)
80日目ぐらいでピュアな宣伝者がコンテンツの素晴らしさに気づいて、奇抜なアイデアで一発逆転を開始するような流れしか許容できないんですか?と言われてみれば、作者が本気で人生と向かい合っていたら動き出しが20日以降というのは納得しかないと思います。
中間考察:"ステマ"の定義について
ここは議論ルートが別れるところですが、私は証拠がない以上、ステマなどによる数の水増しなどは無い・考慮しないという立場で考えていきます。
というより脊髄反射的に、電通から逆算して最初から最後までの流れをうーんステマっ!笑 と後だし認定している意見が多すぎるのが嫌、という感じでしょうか。
みなさんは、100日後に死ぬワニ読んでるときに、ステマ感を本当に感じていたんでしょうか?申し遅れましたが、私がワニを初めて読んだのは、12日目。先輩にクリスマスの予定聞いて「あるよ」って言われちゃうところからです(こういうのに弱い)
私の中でのステマというのは、詐欺に片足突っ込んでいるようなしょうもないスカスカコンテンツに☆5が30件ついていたり、大企業がコンテンツの質にかかわらず、金にモノを言わせて世論操作をしているのが問題点であると認識しています。
100ワニは、本当にそれに該当すると思いますでしょうか。私は思いません。まず、私が(ブログ用の)アカウントで読んでいるのは、ナガノさんの自分ツッコミくま漫画や、がい子くじんさんのマリアシリーズですが、それらと同様に、自分の意思で、書きたいことを伸び伸び描いていると感じました。
— ナガノ☕️くまカフェ東京開催中☕️ ローソンHMVくじ発売中🌟 (@ngntrtr) 2020年3月15日
辱められる魔女 pic.twitter.com/dx94uNTPqe
— がい子くじん (@gaiko_kujin) 2020年3月16日
超極論ですが、ワニの評価は、(もし仮に)そのうちの何割かがステマのいいねやリツイートだったとしても、正しくコンテンツ自体の力で評価され、流行り、また読んでいる人も楽しんでいたと私は考えているということです。
なので、中盤の動きも私は批判にはあたらないと考えています。ここはちょっと批判している人も無理筋感じるんでしたよね?普段、宣伝の無力を馬鹿にするなら、邪悪さの薄いコンテンツ補佐はむしろ成功例としてフォーマット化するのまでありだと私は思います。
ここまで書いて、なんか宣伝擁護してる感じになってきちゃいましたが、本職宣伝でもなんでもないですし関係者でもなんでもないです、最後宣伝下げに下げて終わるから許してくださいなんでもしますから。
終盤考察:提供側が想像力を欠いてしまう
ここまで書いてきた通り、私は作者目線出来る限り利益を最大化する行動を賞賛する姿勢なので、最終日付近にTV出演までしたのは宙に浮いてブラボー!おお・・・ブラボー!!と言いながら観ていました。でも。
100ワニの件で批判されるべきだと思う要素
・TVで作者に同人をみせてはしゃぐ
・想像力の欠如した宣伝イメージ
いかんでしょ。これまでは、どちらかというと受け取り手側の想像力という偉そうな指摘になってしまいましたが、その分の極大ブーメランが最終盤宣伝側に返ってくるわけです。
作品を広げたいところまでは良いと思うんですが「ちゃんと読んでおるのか?先生ェのワニ漫画を?」ってことです。昨今、「エアプ感」というのは消費者に最も嫌われるといっても過言ではないです。ここに関しては事実エアプかどうかは関係なく、「エアプ感」が出た時点でアウトなわけなのが厳しいところです。
エアプとは、エアープレイ。コンテンツ自体を碌にプレイしていない運営や関係者を罵るPVPゲーム必修用語です(大嘘)。要は"目に触れたら100人中70人以上は不快に思う可能性が高いのになんでそんなことするの?煽ってるの?"って行為です。
"追悼記念"みたいなイメージが製作段階でフィルタリングされないことにみんな社会に対する絶望を感じてしまうんですね(クソデカ主語)
(画像はロフト公式より。問題がある場合削除します)
美術肌があり、神は細部に宿るを理解しているであろう作者さん的にはむしろ無念というか、トレードオフな部分があったかもしれないですね。一旦認知が爆発すれば、そのあとは自分の作品を直接色々な人に知ってもらう機会が増えるわけなので。
上記の2要素は、私も正直(強制的にタイムラインに流れてくるので笑)かなり心がもやっとするところがあり、まだ取り下げないのか・・・まで感じるところがあります。
この記事は自分の考えを整理・吐き出す意味合いもあったので、終盤にきてようやく意見がまとまってきましたが、トレンドが大きすぎるせいで「焦点をはずした批判が嫌だった」、「問題を整理して次につなげる流れになってほしいな(わがまま)」というのがやりたかったんですね。
ここで正直エンタメって難しいなあと思ったのは、今回の炎上してる現状と、炎上がなかった世界線を比較すると、正直作者・作品の認知的には炎上が寄与してしまっているところですよね。
確かに消費者の想いは大事だし、「冷めたファンが離れた」と言うは易しですが、正直、炎上で興味を持った、記憶に残った、つまり認知が定着したプラス要素の方が大分大きいという事実を直視するのが、ある意味次のパラダイムに移るスタート地点だと思うんです。
これまた正直ベースなのですが、私が自分も戒めたいのは、じゃあ何事もなくオチが着いてしれっと終わったとして、1ヶ月後「100日後に死ぬワニ」のことを覚えていられるのか?大きいことを言ってるそこの"私"は書籍買うのか?ということです。
大変残念ながら、コンテンツ過多の現在、間違いなくNOであり、そこに対する回答が、自分は今後縮小していく市場にどう対処していくかという課題になっていくのだと思います。
ここまで書いて恐縮ですが、私の中で、今現在 最強の結論は決まっていない。無機質な情報が氾濫し、ヒトの感情がこもった行動が重要になってくると思うので、ゲームを紹介するときなども、自分が本当に体験したものを紹介していきながら、より理性的な経済活動とは何か、もう少し考えながら生きていきたいと思いました。
おまけ:電通先輩ジャングルガレン説
電通の動きは今回"も"ボコボコに批判されてしまっていますが、実はこの動きは宣伝業界では『魔境脱出の裏技壱ノ型:ジャングルガレン』と呼ばれる、トラディショナルでコモンセンスな広告戦略となります。
キャラ選択画面での味方の暴言を華麗にスルーし、Pingを鳴らされまくりながらも、崇高な目的のために味方のジャングルを荒らすという理外の戦略により、チームを勝利に導くのです。
ヘイトを一心に集める姿はまさにタンクの鑑。装備を全てロングソードで固めるなど、徹底的な攻めの姿勢でリスクをとっていく必要がある上級者向け戦略です。味方がBack Pingを鳴らしまくっても意に介してはいけません。
LOLをプレイすると、マーケティングの極意が身に着くのです。
みんな、やろう!(ステマ)
P.S.や卵神
100日目で死ぬワニ書籍化でやっぱり金儲けかよとか言ってる人は絵を本業にして食べてってる人に対して何言っとんじゃあんなすげー作品を100日以上無料で描いてたらワニの前に作者が死ぬだろ単行本を買ってワニくんの魂を側に置いてやれや!!!!
— やしろあずき@月曜日(3日目)西A62a (@yashi09) 2020年3月20日
私が言いたいこと140文字で言えたのか・・・たまげたなぁ・・・
【Kindle】『KEYMAN』が5話まで無料公開中!/"アメコミ調"をうまく日本味に料理した隠れ家的名作を全巻買ったから紹介
『KEYMAN』が5話まで無料公開中@ニコニコ静画
昨晩夜中に『KEYMAN』という掘り出し物を見つけて、めちゃくちゃ夜更かししてしまいました。第5話までニコニコさんで無料で読めちゃいます!Kindle Unlimitedでは、なんと第一巻が無料で読めちゃうので、気になってる方はまず読んでみるのがオススメです!(2020年3月12日時点)
ニコニコ静画はこちら!
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『KEYMAN』第一話からバリバリガッツリ惹かれる硬派な作り
※第一話よりキャプチャ引用
これまた「自分の視界外の名作」でした。「作者への還元」マインドに従って、ニコニコ静画で5話まで読んで、即全巻買っちゃいましたね。
正直本作『KEYMAN』は書店などでも見かけたことがありませんでした。何となくオススメに上がってきたので、パラパラ読んでみたら、1話からトンデモない画力/コンセプト/演出のインパクトで、深夜まで読み続けてしまいました(; ・`д・´)
※第一話よりキャプチャ引用
ご覧の通りというか、THEアメコミ調!オラァ!というようないさぎの良い画風なのですが、最初"噛ませ刑事"的なポジションかと思われたティラノサウルスの刑事をそのあとめちゃくちゃに上手く活かしていたり、地力が高すぎて終始たまげてました。
JAPANローカライズマインドもバッチリ
※第三話よりキャプチャ引用
エッッッッッッッッッッッ!というのは冗談にしても、主役を張るティラノサウル刑事のアメコミ寄り硬派さと、画像の左側、Drネクロさんの美麗でとっつきやすいデザインのバランス感覚が大変お見事だと思いました。
やっぱり、どこか自分の中で理解できる部分が無いと、物語に入っていくのは難しいですからね。ティラノ刑事の戦闘シーンはめちゃくちゃにかっこいいんですが(恐竜の身体という設定をここまで活かして演出できるとは凄いです)アメコミリスペクトか若干何をやっているかわからないページもあるんですよね。
でもDrネクロさんは、設定上はティラノ刑事より大分複雑で怪奇な背景を持っているはずですが、見せ方や決め方が非常にわかりやすくて、そのあたりの矛盾感が大変いい味を出しています。
※所持本第4話よりキャプチャ引用
普段はニコニコ幼女(魔女なので実はXXX歳越え)だけれども、要所要所のけれんみといいますか、良い感じに理解しやすく決めてくれるのが良いんですよねえ。
うってかわってこちらは敵さんです。いやあ・・・要所要所の書き込みが凄い。kindleの煽りが期待の新人、って表現なんですけど、こんな"新人"あり得るんですかね・・・(画力的に)新人類の間違いなんじゃないですか(∩´∀`)∩
こんな良作が、あえて書くと埋もれているというのは大変惜しいですね・・・順次全巻読んでレビューを続けようと思いますが、気になった方は是非記事冒頭のニコニコ静画やKindle Unlimitedで読んでみてください(∩´∀`)∩
↓今回紹介した作品はこちら!
そのほか漫画で現在大プッシュ中の作品
ゲームで現在大プッシュ中の作品
【Kindle】『まったく最近の探偵ときたら』が17話まで無料公開中!ハイかしこまりィ!!!ハマった人は「ああ探偵事務所」もおすすめ
『まったく最近の探偵ときたら』が17話まで無料公開中@ComicWalker
いま最もオススメな『まったく最近の探偵ときたら』が、第17話までComicWalkerさんで無料で読めちゃいます!レビューの要約は、めちゃくちゃ面白いし最新巻まで面白いなので、気になってる方はまず読んでみるのがオススメです!(2020年3月7日時点)
『まったく最近の探偵ときたら』との出会いはウェブ漫画
※所持本第一巻よりキャプチャ引用
漫画って「自分の視界外の名作」にどれだけ出会えるか勝負ってところがあると思うんですよね。私は結構「作者への還元」マインドは凄い大事だと思っているので、Web漫画で出会う→単行本を買うのループを回すようにしています。
恥ずかしながら、2020年あたりになってようやく知ったのが本作『まったく最近の探偵ときたら』大好物ですね。ハイテンポなギャグ寄り作品で、ストーリーはいわゆる推理ものの形式を踏んでいますが、道中めちゃくちゃで笑えます笑
ギャグで惹きつけてはいるんですが、おじさんが解決した『過去のあの事件』や、落ちぶれることになった原因などが将来大きな軸になってくることも示唆されていますし、ダレずにグイグイ惹きつけてきます。(うっっすら将来の〆を暗示させるのって大事ですよねホント)
濃ゆい濃ゆい登場人物達
※所持本第一巻よりキャプチャ引用
最初のあたり、読み始めたころは女子高生のましろちゃんさんが、ガンガン話を引っ張ってくれています。即、火炎放射器を登場させて、こういう作品だからねって示してあげているのは漫画家の鑑。マシろえもんかわいい!マシろえもんカッコいい!
ここまでだったらただのギャグマンガ、『まったく最近の探偵ときたら』はここからがマグマなんです(万能フォーマット特許とってきんに君)
ましろさんに負けず劣らず濃い味のキャラたちがガンガンでてくるんですね。私たちがギャグマンガを読み続けるかどうかって、この引き出しの多さで判断することが多いのではないでしょうか。引き出し無限大です。マシろえもんだけに。
どんどん人間離れしていく依頼人たち
これですよこれ。大好き。この『ブッ飛んでるデザインの依頼人』というジャンルが復活して本当に良かった笑。この作品、実は画力の高さも魅力の一つで、実は主要人物たちは結構綺麗なデザインで一貫しているんですよね。
ところが依頼人になったとたんこれですよ笑 もうデザインの時点で、世界が違うというか、『謎』と本筋の『ギャグ』で、読者も気づかないうちに世界が分かれていて、2本世界線がガッツリ離れていても違和感がなくなるテクニックです(と思ってます笑)
そもそも推理もので、5階から窓をブチ破って落下しても平気な女子高生を出したら、推理の前提壊れちゃ~いますよね?でも平気なんです。世界が分かれているので、推理は推理。ギャグはギャグ。で脳を通過してしまうんですね。
※絵文字顔さん好き
『ああ探偵事務所』を知っているか
『まったく最近の探偵ときたら』が気に入った皆さんに是非リーチしてほしいのが、私の大好きな作者の名作『ああ探偵事務所』です! 基本はギャグマンガで、笑いのセンスがかなり高いです(最初~最終巻まで加速する一方でした笑)
かなり昔の作品なのですが、かなり絵も上手く、主人公の探偵・妻木と、助手の涼子さんの美男美女っぷりもずっと見てられます。そして『まったく最近の探偵ときたら』よりも、依頼人の異形×邪悪っぷりマシマシです笑
※ 『ああ探偵事務所』第9巻より引用
※ 『ああ探偵事務所』第6巻より引用
こちらは、探偵と助手の恋模様も軸の一つとして大きなウェイトを占めているのですが、二人ともピュアでほほえましく、それでいて笑える回が多くて読んでいるときは毎巻の発売が凄い楽しみでしたね・・・
物語も、ちょうどいい密度で、15巻できっちり収めた名作です。毎日大量の新刊が出ていますが、こういう色あせない作品も少しづつ紹介して、皆さんに知ってもらえれば幸いです!
↓今回紹介した作品はこちら!
そのほか漫画で現在大プッシュ中の作品
『ギャルと恐竜』1巻感想:絶滅したと思われた「ギャル」と絶滅したと思われた「恐竜」。恐竜渾身のドヤ顔が光る第1巻レビュー
※所持本よりキャプチャ。問題がある場合削除します
『ギャルと恐竜』巻レビュー
「かわいい」ではなく「いい奴」という新機軸
作者が丁寧に想いを込めて書いているのが伝わってくるような良作。シンプルなデザインの恐竜さんですが、絵がしっかりしていて、マスコットポジションにありがちな手抜き感がまったくなく、登場人物がそれぞれ「生きてる」感じが凄くほっとします。
しょっぱなからギャルと恐竜、一つ屋根の下の生活が始まります。ギャルも恐竜も邪念が無く、第一話からとにかく「めっちゃいい奴らだな・・・」と感じます。単品でみたらギャルも恐竜も可愛いんですが、それより心根の優しさが目立つ感じですね。
ギャルはいい奴。当たり前だよね?
最初から一貫して優しいギャルさん。一番お気に入りエピソードは、実は恐竜があまりからまず笑、恐竜がきっかけでバイトの先輩と仲良くなって家にお邪魔する話です。
この時のギャルさんは先輩の家で遠慮せずに食卓でガッツリごちそうになってるんですが、ウマいウマいウマすぎて馬になったわ(ORTMR)いいつつ、食卓を明るく盛り上げるんですね。これ、人類の最重要最上級スキルですよ。後光がさしてないか?
ごはんの場って、慣れてきたら無言の空気が多くなったり、話題に困ったり、もやもやしつつ状況の打開ができないって経験ないでしょうか。そんななか、この1話だけでもう盲信だなと。ギャルの心根は女神だなと。ギャル=ヴァルキュリアだなと。
全巻購読を決めたのは何気にこの話ですね笑。いや恐竜の話もかなりいいけど。平均打率がかなり高いです。
転じて恐竜もいい奴。当たり前だよね?
一方恐竜も、しゃべらない割に感情豊かで、マスコットというより、ギャルの相棒的ポジションて感じです。勝手に元カレを家に上げたり、鍋パを開催したり、やりたい放題ですが、基本ギャルのことを考えて行動するいい奴です。
そう、恐竜の出現によって、ギャルの食卓=生活も明るく照らされていく感じがあるんですね。 このあるところに活気が生まれていく感じ、派手な演出はないですが、やりたいことが明確で、地に足の着いた名作だと思います。
全巻購入予定
既刊の分は全て購入してあるので、これからポチポチ読んでいこうと思います。1巻は恐竜渾身のドヤ顔でしまっているので、2巻からどんな話の軸になるのか気になりますね。この尊い空気感のまままったり進んでくれても全然嬉しい感じです。
想起する作品を強いてあげろと言われたら、「あたしンち」とかですかね??違うかな笑 気になった方は 既刊3巻とお手軽に読めるので、私と一緒に読み始めてみませんか(∩´∀`)∩
過去の漫画レビュー:スキップとローファー1巻
【実際に読んだものだけ】おすすめマンガ16選!【2020年2月版】
ブログ休止期間中、多くの神漫画に出会ってきました・・・!
2020年現在までに私が実際に読んで「手放しでオススメできる」漫画を紹介!
(ちょうど自分も整理したかったし、Let's GO!)
ハコヅメ(泰三子)
誰も見たことのない警察漫画
※労働基準法は警察官に「一部」適用外です。
いうほど一部か?
私は結構無料Web漫画をチェックして、面白かったら単行本をガンガン買っているのですが、これはもう即買いでしたね。元警察官の作者の方が描く、面白さエキスモリモリも名作です。作者様はもちろん、打ち出した編集様も有能が過ぎる。
本作の良いところは、警察内部のディティールにはかなりリアルさがあるのですが、それゆえ生じる、「知識モノ」みたいなうんちく回が全くなく、各回エンターテイメントとしてのクオリティがひたすら高いところです。
最新11巻で、伏線が集約し、クライマックスに向けてかなり吸引力のある引きが出始めているので、ピンときたかたは110番今から追い始めることをオススメします!
まったく最近の探偵ときたら(五十嵐正邦)
黄色い声援が飛び交う名探偵・名雲桂一郎! …だったのは過去の話。
いまやただのおっさんになってしまっていた。
若さを失った名雲の元に、女子高生が助手希望で押しかけてきて!
めっちゃ面白いギャグ漫画。ニコニコ漫画で出会ったのだが、最初の勢いで失速するだろうという大方のDisを裏切り、加速する勢いとなんかやたらおおい引き出しにコメントがどよどよしながら飲まれていったのが本当に草。その流れに出会えてよかった。
結構女子高生が窓をぶち破ったり、火炎放射を使ったりするので、そのあたり深い懐で受け止められる人にオススメ。でもね、浅いわけじゃなくて意図的なんだよね。『TRICK』とか、『ああ探偵事務所』が好きだった人はクリーンヒットする。
むしろ、この作品の広がりを機に、読んだことが無い人は関崎俊三の、『ああ探偵事務所』と『恋愛怪談サヨコさん』を是非読んでほしい。幸せになれるよ。
SHIORI EXPERIENCE シオリ・エクスペリエンス(長田悠幸,町田一八)
※所持している本よりキャプチャ。問題がある場合削除します。
“ジミ”な高校英語教師の本田紫織に、ジミヘンの幽霊が取り憑いた!?
しかも「27歳が終わるまでに音楽で伝説を残さなければ死ぬ」ことに。
27歳の誕生日を迎えたばかりのアラサー女子、その運命やいかに──!?
導入でクスって笑ってる間に、抜けられなくなります。なんといっても圧倒的な音楽シーンの描写。「1年って・・・笑」タイムリミットの厳しさに無理だと笑う我々の認識をひっくり返していく姿勢や、その『太く短い』骨格自体が、音楽シーンへのリスペクトを感じさせます。音楽できる出来ないじゃない、感じられるか感じられないかだ。
BLUE GIANTとか好きな人なら必買。絵×音楽は本当に表現の極致、圧倒されるばかりです。最新巻までまっったく勢いが止まらない。どころか、ちょうど大山二合目を超えた一番いいところ。合流するならいつだろうな~。いまでしょ。(古き良き)
無能なナナ(るーすぼーい,古谷庵)
「人類の敵抹殺」を胸に、行動を開始する…。
想像をことごとく裏切る、正義と悪の知略サスペンス開幕!!
筆者は、『車輪の国、向日葵の少女』から延々とるーすぼーい信者であり、ことあるごとに彼の作品をプッシュする狂信者なのですが、オススメしやすい漫画という舞台に颯爽登場してくださいました。神に感謝。???「家畜に神はいないッ!!」
私は義務と権利のように全巻持ってるんですが、この面白さを他の人にも伝えるにはどうすればいいのか難しいところなんですよね。意外にるーすぼーい好きな人でそもそも認知してない人が多いので、その人には買ってどうぞ以上終わりで済むのですが。
ひと味違う超能力バトル?と見せかけて・・・?うーん。現在の敵役ポジション教官鶴岡タツミがとっつぁんを彷彿とさせる貫禄・・・?うーん。ええわ。読んでどうぞ。
ボールルームへようこそ(竹内友)
ダンススポーツ青春譚!その一歩(ステップ)で僕は変わる――
平凡な中学生、富士田多々良はダンスの世界に一歩を踏み出し、
日常が、みるみる変わり始める――!!“ボーイ・ミーツ・ダンス”開幕!!
あえて『シオリ・エクスペリエンス』や『BLUE GIANT』と並べて語りますが、ダンスの音楽性、躍動感、熱気、その場にいる人にしか伝わらない情熱・・・これを漫画に落とし込むのは並みの能力ではできません。その難行を本書は完璧にやり遂げてます。
では漫画の"完璧"とは何か?読者を動かしたということです。社交ダンス業界に行ってみるとわかります。『ボールルームへようこそ』がきっかけで社交ダンスを始めた人がわらわらいます。読者の人生を変えるほどの漫画は完璧の称号に値すると思います。
第一の山場は4巻。是非皆さんも飛び込んでみては?
※所持している本よりキャプチャ。問題がある場合削除します
うみねこのなく頃に 漫画版(竜騎士07, 夏海ケイ)
年に一度の親族会議のため、六軒島を訪れた右代宮一族18名。
台風により閉ざされたこの島で、次々に起こる不可解な事件。
浮かび上がる19人目の存在、魔女ベアトリーチェ。
連続殺人幻想「うみねこのなく頃に」、ここに開幕――…。
これは盲点というか、飛び込んだ自分をほめてあげたい気持ちでいっぱいになりましたね。めちゃくちゃ出来がいいです。恐らく、ひぐらし→うみねこと作品ウォッチャーで、ゲーム版うみねこの最終エピソードで「なんかやらかした」らしいと聞いてゲームは買わないでやり過ごしてしまった勢・・・あると思います。
そんな方々に朗報ですが、本うみねこのなく頃にのコミカライズ。めちゃくちゃ出来がいいです。コミカライズによくあるガバガバ感(失敬!)が全くなく、作者もガチガチファンなんじゃないかというよな熱意と密度で綿密に構築されています。
論より証拠。ネタバレはないので、以下最終巻のレビューをみれば安心して飛び込めると思います。原作やアニメの正直良くなかったところが解消され、ギュッと凝縮された『うみねこ』のエッセンスを遂に味わうことができるのです。
喧嘩商売/喧嘩稼業(木田康昭)
最強の格闘技は何か!?
多種ある格闘技がルール無しで戦った時…
スポーツではなく目突き・金的ありの
『喧嘩』で戦った時
最強の格闘技は何か!?
その答えの一端がこのトーナメントで示される
この作品勧めてくる奴が全員金田戦まで読めって言ってくるけどなんなんだよ。
という怒りの声が聞こえてきますね。怒ってんの?金田戦まで読めよ。
というイヤーカップで鼓膜ぶち破られそうなジョークはおいといて、薦める際にそれは仕方がないことなんですよね。事前情報なしで、女子○生ハンターの嵐を乗り越えられるような猛者は、既に本作を最新巻まで買いそろえます。
シリアス展開時の”武”への真摯な描写が徐々にうなりを上げてくるころには、本作に夢中になり、異種格闘技の陰陽トーナメント開催した日にはもう最後まで目が離せなくなってます。私は夢枕獏の東天の獅子を思い出しましたね。
ジョジョのオラオララッシュに憧れちゃう人にオススメ。人はいつだって金剛を打ちたいし、煉獄を極めたいんだ。ね!?
※所持している本よりキャプチャ。問題がある場合削除します。
Artist アルティスト(さもえど太郎)
パリのレストランで働く気弱な青年・ジルベール。
雑用係として、毎日皿を洗い続ける平凡な日々を送る彼だったが、
ある出会いをきっかけに世界は変わり始める。
すべて人々に贈るお仕事青春ストーリー。
心が洗われるようです。なんと本作、"サモエド"で検索してるときに出会いました。なんでサモエドで検索なんかしてるんだって?みんなもイルカセラピーにハマって、サモエドの情報調べたりするよね?え・・・?しない・・・?そう・・・。(怪しい曲じゃないのでそのへんよろしくお願いいたします)
なんだかすごく不思議な感覚におちいる漫画です。異国の地での物語なのに、どこか身近で、懐かしい感覚すら覚える優しい雰囲気。最近私がレビューした『スキップとローファー』のように、優しい雰囲気に満ちています。
ジェットコースター至上主義のエンタメに疲れたときなどに、じっくり読みたい名作です。等身大の時間の流れを大事にしたくなる一冊。
金剛寺さんは面倒臭い(とよ田みのる)
口を開けば正論!正論!正論!
金剛寺さんはいつも正しい!おまけに学業優秀&柔道の名手!
隙などまったくない彼女に、樺山くんは…よりによって恋をした!
ちなみに本編とは大きく関わりのないことだがッ!!
この世界は地獄と繋がっているッ!
2015年の私的ランキングで1位だった『FLIP-FLAP』のとよ田みのる作者の新作ですね。いつ、どんな作品で覇権とるのかな?と思っていたら、いま、こんな作品で覇権をとった。約束された勝利の金剛剣。エクスカリバー並みの破壊力。
徹底したポジティブさが追及されており、ネガティブ部分は本編に大きく関わりのないことだがッ!!で全流しされるいさぎのよさ。設定自体はよく見ると変化球も変化球なのだが、ピュア・ラブストーリーであるという認識しか読者には残らないのだッ!!
今は完全にフォロアーですが、もう一人の主人公、樺山君の造形に最初はハラハラしたのも事実です。角生えてますからね。反論を恐れずに言うなら、主人公を人間以外で行くって、相当ハードルが高い試みなんですよね。ただ途切れることのないハイテンションと、唯一無二の読後感で、読者を世界に引っ張り込んでくれました。脱帽。
僕の心のヤバイやつ(桜井のりお)
学園カースト頂点の美少女・山田杏奈
重度の中二病の陰キャ・市川京太郎。
山田を観察する内に、京太郎が思う「底辺を見下す陽キャ」とは全然違うことに徐々に気づいていき…!? 陰キャ男子・京太郎の初めて恋、始まる。陽キャ美少女×陰キャ少年のニヤニヤ系青春格差ラブコメディ!!
わかるよ。(遠藤章造)
もうね、今や誰もが新刊を待ちわびているので、ここに書くこともあまりないので、作者に投下される尊さを受け取りながら一緒に新刊を待ちましょう。ただ。連載開始当初からめちゃくちゃ大注目していた。それだけは真実を伝えたかった。
Twitter用に描いている漫画をまとめました。
— 桜井のりお@僕ヤバ②発売中ロ⑥3/6 (@lovely_pig328) 2019年4月30日
⚡️ "僕の心のヤバイやつ"https://t.co/f4dZ35uubg
・・・もうイチャイチャしてるだけじゃねーか!だがそれがいい!(にやっ)
帝一の國(古屋兎丸)
時は昭和…。官僚や政治家を数多く生み出した超名門校・海帝高校。
派閥作りや政界さながらの生徒会長選が行われる海帝高校で、
主人公の帝一はまず、クラスのルーム長を狙うが・・・
作者特有の耽美な作風と、時代・舞台設定が完璧なマッチを魅せた奇跡的な作品。あまりにぶっとんだテンションにも関わらず、展開の基礎骨格がしっかりしているので、決して荒い印象がなく、作中世界にどんどん引き込まれる。
本作でもっとも素晴らしいのは、何と言っても最終巻、クライマックスの閉じ方。誇張抜きで、オチという意味では今まで読んだ中で最強最高の読後巻と言い切って良い。悩んでいる人は、うみねこじゃないが、最終巻のレビューの高さでみんなのたまげちらかしっぷりを眺めれば飛び込む勇気がでてくると思う。
迫稔雄作品
嘘喰い
遊ぶ金欲しさに闇金に手を出し、取立てに追われる青年・梶くんの前に現れた謎の男・斑目貘。自らギャンブラーと名乗り、借金返済を手伝うと豪語する貘は、闇カジノへと乗り込むが…!?
隙あらば嘘喰い。マイ・バイブル。
うん、すまない、「また」なんだ。多分「廃坑のテロリスト・首吊り遊戯ハングマンババ抜き編」まで読めとか、「エア・ポーカー」で脳がトロトロに破壊されるとか言われ続けてきたと思う。でも、事実だから仕方ねンだわ。
しいて言うなら、どう考えても最初の「廃ビルの悪魔編」からめちゃくちゃ面白いのでそのあたり意義があるし、本当に魂を取られるのは「迷宮のラビリンス編」の門倉立会人からだろとか逆に好きすぎて要素に分割できないんだよ全てが面白いんだよ・・・売れてくれ・・・
梶ちゃんと一緒に、主人公獏さんの魅力に飲み込まれて行ってください。常に死と隣り合わせの難局を乗り切りながら、「あんた嘘つき、だねっ」で締めるケレン味・・・気づいたときには、もう抗えないのです。
バトゥーキ
嘘喰い作者の新作。めちゃくちゃ面白いのだが、奇抜なコンセプト:カポエイラを用いた初動につまづいてしまい、売れ行きが悪い・・・
上記記事にて、具体的にどのあたりから面白くなるのか紹介している。是非!
乃木坂太郎作品
夏目アラタの結婚
これは、最も一線を越える「結婚」!!
児童相談所勤務の夏目アラタは、結婚に夢を抱いていない30代独身
彼はある日「父を殺した犯人に代わりに会って欲しい」依頼を受ける
犯人の名は品川真珠。
【品川ピエロ】と呼ばれる有名連続殺人犯だった…!!
以下で紹介する「幽麗塔」の作者さん新作。美しい彫刻のような無機質さと耽美で極めて人間的な情緒が同時に存在している素敵な絵が物語にグイグイ引き込んでくる。大体主人公が容赦ない状態に追い込まれることが多く、展開に容赦がない。
本作も、まだギリ実害が出てないだけで明らかに酷いことになるとしか思えない状態である笑。ただ、ギリギリの環境を乗り越えた先に、人間の本質がポンと残る。そこからクライマックスへの怒涛の展開にカタルシスがあるのだ。
本作も続刊が楽しみな限り。
幽麗塔
時は昭和29年、舞台は神戸。
ニートの天野は、幽霊塔と呼ばれる時計塔で、何者かに襲われ、
謎の美青年・テツオに救われる。
「幽霊塔の財宝探しを手伝えば、金も名誉も手に入る」。
しかしテツオの正体は、男装の女であり、名も偽名であった・・・
耽美サスペンスミステリー。テーマも重厚ながら、深まる謎、尽きないサスペンスに気づいたら最終巻まで読んでしまっている。いわゆる宝探し的な冒険活劇としても一流で、終わってしまうのが凄く寂しかった。
話の風呂敷はガツンガツン広がり続けるのだが、最後をキッチリまとめきる力量は流石。というか中盤あたりから、私のような凡人には主人公とテツオ(仮)の関係性をどう描けば物語的に決着がつくか検討もつかなくてそこにハラハラしっぱなしだった。だからこそ、驚愕の爽やか喉ごし読後感に至ったのは感服と言うほかない。凄い。
第3のギデオン
マリーアントワネットとハンマーおじさんに萌える漫画。
読んで面白かったけどレビューしきれなかった作品(理由様々)
あまりにも認知度が高いので飛ばしたり、個別で触れる予定だったり、どこを切り取ってもヤバすぎてレビューしようがない(「ダンゲロス」だけ)作品たちです!どれも実際に読んでますが名作ばかり。
ハイスコアガール
Dr.STONE
ザ・ファブル
ワールドトリガー
ドロヘドロ
彼方のアストラ
あまんちゅ
昴
ダンゲロス
背筋をぴん!と
惑星のさみだれ
砂の栄冠
ダイの大冒険
かぐや様は告らせたい
五等分の花嫁
ケンガンアシュラ
神の雫
ディエンビエンフー
ACMA:GAME(アクマゲーム)
トモダチゲーム
狂四郎2030
ラーメン発見伝/ラーメン才遊記
刻刻
最後に
PC版Kindleの挙動あまりに酷い・・・酷くない?
最近も面白い漫画がドンドン出てきて読むのが追い付きません・・・!本当に読んでよかったと思える漫画に出会ったら、引き続き紹介していきたいと思います!
気に入った本があったら、読者登録やSNS共有してくれると嬉しいかぎりです(; ・`д・´)
『スキップとローファー』3巻感想:コツコツグツグツ味が出て深まっていく人間関係。本題に迫る3巻レビュー
※スキップとローファー3巻より所持本キャプチャ。問題がある場合削除します
スキップとローファー3巻レビュー
兼近先輩の相変わらずな面と、善人な面
兼近先輩は相変わらず冒頭から空気が読めなかったり、かと思えば3巻では不器用ながら自分なりに相手を思いやる行動に、根っこの善良さ優しさが垣間見えていました。
そうですよね。人間の中身ってこういうじっくりコトコト、少しずついろんな面が見えてくるのが奥深いんですよね。最近はスピード主義の物語が多くて、キャラにも記号が無いとうまく広がらないことが多いけど、たまにはこういう丁寧な描き方もいい。
三巻は兼近先輩メインで演劇路線に入ると思ってたけど、引き出しが多い。人間関係を、迷い翔ける極上の戦士青春をこれからも丁寧丁寧丁寧に描いていく作品なんだとわかりました。
志磨くんの対応は優しいなぁ。
等身大の優しさを持つ志磨くんは本当に眩しい。学生時代の異性って死ぬほど考えて対処しなきゃいけない憧れであり畏怖の対象でもあったよね。志磨くんの一貫して相手に対する想像力が溢れているところが魅力的なんだ。
ただ、前半で強調される、志摩君のすごく人の気持ちに対して想像力を働かせるところに対して、後半では過去のしこりのような記憶が挿入され始める。ついに次の山の輪郭が見えてきた感のある……志磨くんの過去。志摩君を振り回す謎の幼馴染。
あえて主語を大きくして言うなら、学生のうちの人格形成って決して長くはないそれまでの環境で構築されているなら当然のことだと思う。志摩君は優しすぎ、思慮深すぎる・・・その志摩君が「そうなった」過去にこれから焦点が当たってくると思う。
陰と陽のバランスが取れているとリアルを感じる
巻を通して、志磨くんの過去が暗く陰りを帯びてくることを知らないミッツミーの牧歌的で優しさと平穏に満ちた帰郷が対照的に、照らされていく。私は目次からもそれを(勝手に)感じ取った。
- パタパタの生徒会長選挙
- モテモテの夏休み前
- ムワムワの動物園
- いろいろの夏休み
- トロトロの帰省
- ルンルンの夏休み明け
はしゃぎ散らかしてるな。ミッツミーさんよ。前巻のシトシトした目次とは対照的に、(あるいは単に季節に合わせているのかもしれないが)ミッツミーが友達ができた/好きな男の子ができた高揚感に運ばれている状態が3巻だと思う。
3巻はかなり気になる、いわゆる「人の本題に入っていく」様相をていした引きなので、4巻ではこのギャップがどう縮まるのかが焦点になってくる。ミッツミートモダチ100%安心安全石川県産のままで、今まで通り志摩君が癒されるのか。それともミッツミーが無邪気に何も知らず志摩君の心に踏み込みそれを後悔してしまうのか。目が離せない。
個人的には恐らく。人の心の深いところに踏み込むというのは避けられないことで、ミッツミーに悩み深い状況が訪れると思う。でも彼女はきっと乗り越えるとも思うのだ。
江頭さんの心理描写はやめてくれ、俺に効く
俺に効く。
江頭さんだけ心理描写厚すぎるでしょ。もはや第二の主人公なのでは?
江頭さん絶対大丈夫だから。正しく真面目に悩む今の姿勢は絶対将来活かされるし、絶対いい人になるから。人間してるよ。江頭さん。ちなみにミカさんではなく江頭さんと呼んでいこうと思います。ミカはミカでミーム汚染されてるからね。しょうがないね。
p.s.柚月っちが本当に普通の良い奴で草
草。絶対そのうち焦点はあたると思うけど、意外過ぎる笑。あと友達と言えば、志摩君の友達の向井君めっちゃいい奴だよね。今後の活躍に期待ー☆
過去記事:スキップとローファー1巻レビュー
過去記事:スキップとローファー2巻レビュー
【Kindle新刊】BLUE GIANT SUPREME10巻【2月28日金曜の"買うならこれ一本!"】(※シオリ・エクスペリエンスもおすすめ)
Kindleは新刊もセールも探すのが大変ですよね。本ブログでは基本セールのまとめではなくて、私が実際に読んで本当に推せるコンテンツに絞ってシンプルに紹介しています!本日のオススメは断然「BLUE GIANT SUPREME10巻」ですね!
ギュッと凝縮!紹介ポイント
- "ジャズ"のお話しです。
- 主人公ダイの成長物語かつ"現在進行形の偉人伝"です。
- 読者が得られる感情→"認めさせる爽快感(カタルシス)"
今やもう知る人ぞしる名作になりましたが、一方、今まで読んでない方が、いきなりジャズの漫画だ!面白そう!となって読み始めるケースも少ないかも知れません。
紹介ポイントで触れた通り、主人公のダイがそのたぐいまれな才能と努力、あるいはそのジャズに対する生き方を持って、自分の理想のジャズに向かって邁進していき、最初は侮っていた周囲の人間も演奏をきき圧倒されるところがカタルシスポイントです。
ちょっと言葉にすると難しいですが、「将来、周りの登場人物が、"当時のダイ"についてインタビューを受けている」シーンが毎巻あり、ダイが大成していることが頻繁に明示されます。その演出のおかげで、ダイがたぐいまれな演奏を行い認められていくことが"当然"に思えるのでスッと物語が入ってくる。設計が素晴らしいですよね。
前シリーズ「BLUE GIANT」→本シリーズ「BLUE GIANT SUPREME」と、読者の想像を超えて情け容赦なく人生のステージが上がっていくところも渋い見どころで、止まってしまったものから取り残されていく音楽シーンの厳しい背景描写が物語を包んでいるため、決して才能をホイホイ認めてしまう軽い作りにはなっていません。
気になった方は、シリーズの初めからガッツリ読んでみてはいかがでしょうか?
■本シリーズ最初の3巻
■全シリーズ最初の3巻
BLUE GIANTが好きな方には『シオリ・エクスペリエンス』もオススメ!
後日ガッツリレビュー予定ですが、先にオススメだけー☆
教師のシオリさんにジミヘンの幽霊が憑依する話です笑
最初はギャグかな?と思ったらガチガチガチに音楽すべてにリスペクトを感じる名作
おまけ:以前の記事の「動かない漫画ランキング」を見て思ったこと
おまけ2:つたない自著。知識・経験ゼロから出版してみました!
ゼロから出版できる!Kindleダイレクト出版2020: 知識ゼロ!経験ゼロ!でも出版できちゃった!"とりあえず一冊完成させる"実践記録!
- 作者:レベッカ(姉)
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