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ぼんやり生きてた私が「100日後に死ぬワニ」批判に対して考えをまとめてみました/あるいは電通先輩ジャングルガレン説

この記事について

 100日後に死ぬワニの件、何を書いても迫真便乗になりそうなのでスルーするつもりでした。が、目に入ってくる意見に対して湧き上がってくる思いが抑えきれず、綺麗に言うなら自分イライラで草なので、考えをまとめて成仏してもらうことにします。

 

 基本スタンスは、エンターテイメントって、多種多様な意見をすべて受け入れる懐の深いものだと考えているので、議論を呼んでいる現状自体が素晴らしいものだという立場です。

 

目次を見てお察しの通り、多分皆様のご期待には応えられないので、

そのあたり肩の力を抜きつつよろしくお願いいたします。

 

 ご意見が合わない方用に、私が言われたら一番ムカつく画像を用意しておいたので、心の中で「でもそれってあなたの感想ですよね?」とご唱和しながらご覧ください。

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人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、
何事かをなすにはあまりにも短い。
中島敦

こんなに俺と地球人で意識の差があるとは思わなかった…!
ミストさん

100日後に死ぬワニ現象把握

 まず作者のきくちゆうきさんは、100ワニ以前は結構Twitterで楽しそうに自身の活動を上げられていて、デザインフェスタや個展など精力的に活動していたり、「SUPERどうぶつーズ」という本も出しているようです。

 

 ちなみせっかくなので俺はこの赤の扉を選ぶぜ「SUPERどうぶつーズ」は記事を書く前に読んでみました。正直買うとき1200円は高っけえな前情報なしで買わんでしょと思いましたが、読み終わると、うーんなかなかどうして、充実感があって買ってよかったなと言う感想。

 

 問題がある場合画像は即削除しますが、これも正直、試し読み範囲の第一話時点では、読むの止めようかなと思っていたが、以下のピザの下り以降本領発揮して面白い

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・2016スタートと思えない時代を先取りしたような優しい世界

・ユーモラスでオンリーワン(すぎる)な世界

  がじわじわ効いてきます。余談ですが、こういう「ここを過ぎればファンになる」転換点を出版業界はもっと把握して提供するのが近未来では重要になってくると思います。バトゥーキはさぁ三巻まで読めば(1時間バトゥーキの話が続くので略)

 

 絵柄も、最初はギャグマンガ日和みたいな路線かな?と思っていましたが、読んでいて書き込みをみると、あ、これ逆に絵が上手い人が逆に特徴だけ抽出して崩している奴じゃね?と気づきます。

 

 サブカル界隈で流行る前にこれを読んでいた方は、中々質のいいマウンティングが取れること間違いなし、好きな人は宝を見つけた気分になるような漫画でした。

 

 (ちなみにステマ論争に巻き込まれるのはNGなので本記事はリンク無し。AmazonでSUPERどうぶつーズで検索検索ゥ!)


 という感じの本なのですが、ここで私が言いたいのは正直この本だけでじゃあ食べていけるほど売れるのか、と言われると私はちょっと厳しいのでは、という認識がスタート地点です。座布団を投げないでください。まだ本題に入ってないです。

 その状況下で、ワニがバズリ出したわけです。100日後に死ぬワニの、10日目ぐらいにツイートした「SUPERどうぶつーズ」のつぶやき、記事執筆現在でも、RT300ぐらいで、いいね2000ぐらいです。

 

 

 で、その直後の100日後に死ぬワニの10日目は、RTが1.3万、いいね10万です。

 

 そして100日目まで勢いは上下しながらも衰えず、最終日付近で爆発したと。私はこういう考察をするときに、何より想像力が重要だと考えています。特に作者。作者目線の気持ちを一度考えてみようと思います。

 

自分なら、人生の転機にどういう行動をとれたのか

 私は本職は一ミリもゲームと関係ないことをしてますが、出来るならゲームばっかりしてゲームで稼ぎたいぐらいです。匿名議論だと、人間の屑扱いされてしまいそうですが、ぶっちゃけみんなも好きなことをして生きていきたいですよね?

 

  • 自分は漫画家を志している。
  • 一冊自著を出して、コアなファンはついてくれている
  • だが、一生暮らせるレベルにはない
  • そこに、自分の漫画が理外のバズりをした・・・!

 

 私なら、みなさんならどうしますか?それが想像力であり、議論に必須のポジショニングだと思います。主語も責任もない、意見を言う自由だけ主張する、それは足を引っ張っているだけです。「何かの足し」になって初めて意見ではないでしょうか。

 

 それはトレンドに乗っているだけ。「乗る」とは何か、『ライドンキング』を読んで考え直すことをオススメいたします。 騎乗対象に対する愛おしさを理解し、ある意味征服するという対象へのリスペクトが必要なんだ。

 

1話無料で読めるよ。草しか生えないよ。


初動考察:"仕事化"の初動について

 話がそれました。私ならどうするのか。まずわかんね。からのとりあえずコネのある出版社・宣伝社と相談するしかないでしょうね。私は『価値』と『利益』を近づけるために努力するのは、社会人として当然だと考えています。

 

 そして自分の身に置き換えてみたときもそれは当然で、今まである意味ニッチなところしかターゲットが無かったところに、拡大するチャンスが出てきたら、全力で取りにいくでしょう。断言してもいいですが、人生で二回も三回もこんなチャンスは来ないからです。作者にとっては一つの偶然ではなく、人生の転換点なんです。

 

 そのため、批判の中には理解できるものも相当数あり記事の後半で触れますが、「マネタイズするなんてけしからん」系はホント理解できない=反論しようがないので擬態のセンス◎の梶ちゃんの苦しみを共有しておこうと思います。そういう系は全部、郁斗がサブ垢で書いてるから多少はね?と思い込んで眺めると気にならなくなるのでおすすめです。

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 なので、20日目以降ぐらいから、宣伝体制が入ったというのは私にとっては批判要素では全くないです。私でもそうする。むしろ作者や宣伝の仕事人としての嗅覚は優れていると思います。(方法論は後述、ここはタイミングの話です)

 

 80日目ぐらいでピュアな宣伝者がコンテンツの素晴らしさに気づいて、奇抜なアイデアで一発逆転を開始するような流れしか許容できないんですか?と言われてみれば、作者が本気で人生と向かい合っていたら動き出しが20日以降というのは納得しかないと思います。

 

中間考察:"ステマ"の定義について

 ここは議論ルートが別れるところですが、私は証拠がない以上、ステマなどによる数の水増しなどは無い・考慮しないという立場で考えていきます。

 

 というより脊髄反射的に、電通から逆算して最初から最後までの流れをうーんステマっ!笑 と後だし認定している意見が多すぎるのが嫌、という感じでしょうか。

 

 みなさんは、100日後に死ぬワニ読んでるときに、ステマ感を本当に感じていたんでしょうか?申し遅れましたが、私がワニを初めて読んだのは、12日目。先輩にクリスマスの予定聞いて「あるよ」って言われちゃうところからです(こういうのに弱い)

 

 私の中でのステマというのは、詐欺に片足突っ込んでいるようなしょうもないスカスカコンテンツに☆5が30件ついていたり、大企業がコンテンツの質にかかわらず、金にモノを言わせて世論操作をしているのが問題点であると認識しています。

 

 100ワニは、本当にそれに該当すると思いますでしょうか。私は思いません。まず、私が(ブログ用の)アカウントで読んでいるのは、ナガノさんの自分ツッコミくま漫画や、がい子くじんさんのマリアシリーズですが、それらと同様に、自分の意思で、書きたいことを伸び伸び描いていると感じました。

 

 

 超極論ですが、ワニの評価は、(もし仮に)そのうちの何割かがステマのいいねやリツイートだったとしても、正しくコンテンツ自体の力で評価され、流行り、また読んでいる人も楽しんでいたと私は考えているということです。

 

 なので、中盤の動きも私は批判にはあたらないと考えています。ここはちょっと批判している人も無理筋感じるんでしたよね?普段、宣伝の無力を馬鹿にするなら、邪悪さの薄いコンテンツ補佐はむしろ成功例としてフォーマット化するのまでありだと私は思います。

 

 ここまで書いて、なんか宣伝擁護してる感じになってきちゃいましたが、本職宣伝でもなんでもないですし関係者でもなんでもないです、最後宣伝下げに下げて終わるから許してくださいなんでもしますから。

 

終盤考察:提供側が想像力を欠いてしまう

 ここまで書いてきた通り、私は作者目線出来る限り利益を最大化する行動を賞賛する姿勢なので、最終日付近にTV出演までしたのは宙に浮いてブラボー!おお・・・ブラボー!!と言いながら観ていました。でも。

 

100ワニの件で批判されるべきだと思う要素

・TVで作者に同人をみせてはしゃぐ

・想像力の欠如した宣伝イメージ

 

 いかんでしょ。これまでは、どちらかというと受け取り手側の想像力という偉そうな指摘になってしまいましたが、その分の極大ブーメランが最終盤宣伝側に返ってくるわけです。

 

 作品を広げたいところまでは良いと思うんですが「ちゃんと読んでおるのか?先生ェのワニ漫画を?」ってことです。昨今、「エアプ感」というのは消費者に最も嫌われるといっても過言ではないです。ここに関しては事実エアプかどうかは関係なく、「エアプ感」が出た時点でアウトなわけなのが厳しいところです。

 

 エアプとは、エアープレイ。コンテンツ自体を碌にプレイしていない運営や関係者を罵るPVPゲーム必修用語です(大嘘)。要は"目に触れたら100人中70人以上は不快に思う可能性が高いのになんでそんなことするの?煽ってるの?"って行為です。

 

 "追悼記念"みたいなイメージが製作段階でフィルタリングされないことにみんな社会に対する絶望を感じてしまうんですね(クソデカ主語)

 

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(画像はロフト公式より。問題がある場合削除します)


 美術肌があり、神は細部に宿るを理解しているであろう作者さん的にはむしろ無念というか、トレードオフな部分があったかもしれないですね。一旦認知が爆発すれば、そのあとは自分の作品を直接色々な人に知ってもらう機会が増えるわけなので。

 

 上記の2要素は、私も正直(強制的にタイムラインに流れてくるので笑)かなり心がもやっとするところがあり、まだ取り下げないのか・・・まで感じるところがあります。

 

 この記事は自分の考えを整理・吐き出す意味合いもあったので、終盤にきてようやく意見がまとまってきましたが、トレンドが大きすぎるせいで「焦点をはずした批判が嫌だった」、「問題を整理して次につなげる流れになってほしいな(わがまま)」というのがやりたかったんですね。

 

 ここで正直エンタメって難しいなあと思ったのは、今回の炎上してる現状と、炎上がなかった世界線を比較すると、正直作者・作品の認知的には炎上が寄与してしまっているところですよね。

 

 確かに消費者の想いは大事だし、「冷めたファンが離れた」と言うは易しですが、正直、炎上で興味を持った、記憶に残った、つまり認知が定着したプラス要素の方が大分大きいという事実を直視するのが、ある意味次のパラダイムに移るスタート地点だと思うんです。

 

 これまた正直ベースなのですが、私が自分も戒めたいのは、じゃあ何事もなくオチが着いてしれっと終わったとして、1ヶ月後「100日後に死ぬワニ」のことを覚えていられるのか?大きいことを言ってるそこの"私"は書籍買うのか?ということです。

 

 大変残念ながら、コンテンツ過多の現在、間違いなくNOであり、そこに対する回答が、自分は今後縮小していく市場にどう対処していくかという課題になっていくのだと思います。

 

 ここまで書いて恐縮ですが、私の中で、今現在 最強の結論は決まっていない。無機質な情報が氾濫し、ヒトの感情がこもった行動が重要になってくると思うので、ゲームを紹介するときなども、自分が本当に体験したものを紹介していきながら、より理性的な経済活動とは何か、もう少し考えながら生きていきたいと思いました。

 

おまけ:電通先輩ジャングルガレン説

 電通の動きは今回"も"ボコボコに批判されてしまっていますが、実はこの動きは宣伝業界では『魔境脱出の裏技壱ノ型:ジャングルガレン』と呼ばれる、トラディショナルでコモンセンスな広告戦略となります。

 キャラ選択画面での味方の暴言を華麗にスルーし、Pingを鳴らされまくりながらも、崇高な目的のために味方のジャングルを荒らすという理外の戦略により、チームを勝利に導くのです。

 ヘイトを一心に集める姿はまさにタンクの鑑。装備を全てロングソードで固めるなど、徹底的な攻めの姿勢でリスクをとっていく必要がある上級者向け戦略です。味方がBack Pingを鳴らしまくっても意に介してはいけません。

 LOLをプレイすると、マーケティングの極意が身に着くのです。

 みんな、やろう!(ステマ)

P.S.や卵神

私が言いたいこと140文字で言えたのか・・・たまげたなぁ・・・