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『千里の棋譜』第二部クリア!サスペンス増し増し中盤から、『棋士の在り方』の答えに踏み込む終盤に涙。作者と製作陣に感謝。

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■第二部プレイ!激アツの三段リーグ編!

 早く終わらせてしまうのがもったいなかったので、第二部はちょっとづつ噛みしめながらプレイしてました『千里の棋譜』です。第一部での完全燃焼っぷりに、第二部はちょっとしたおまけだと思ったらとんでもない。

 第一部以上の盛り上がりっぷりにたまげちらかしました。

 プレイし終わっちゃったの悲しいなあ。皆さんにも是非プレイしてみてほしいので、例によってネタバレ抜きで紹介していきます!

 

プレイ中の感想ログから見る第二部

あゆみんが食いつき良くなってて草

 主人公の歩未(通称あゆみん。私しか言ってない)。第一部から将棋の話に明らかに食いつき良くなってて草。と私のメモにありました。プレイ完了して振り返ってみれば、それすら作者の掌の上。作者様、掌、デカくない?世界仰天ニュースとかで取材受けてたりしない?10km先から手が見えそうなぐらいデカい。富士山かな?

 出来の良いストーリー構成は実力派の特権。存分に味わえました。

棋士達が将棋の話になるとわらわらにしゃべりだすのが微笑ましい

 普段寡黙なのに、将棋の話とか考察になったとたん明らかに鼻息荒くなるのホント面白い。推理パートとかでのシケシケ反応どこ行ったんだよ、ってくらい無邪気にみんな盤面にかじりついてます。本当の将棋会館もこんな空気だとしたら大分面白いですね。

香蓮姉貴、第二部でも存在感バッチリ

 第二部では、長野と香蓮、どちらも今期が最後のチャンス、プロに慣れなかったら退会するという決意を決めて臨むのですが、その心理描写が秀逸で、心臓にビシビシ刺さります。

プロ棋士になりたいな。こうやって口にしていれば叶うかなぁ

  このように、リアルな心境がこちらまで伝わってきそうなセリフがてんこ盛りなわけです。その技は俺に効くからやめてくれ。やめてくれ。嘘。やめなくていいよ。

 第一部の羽生翔田名人VS飛燕は、どちらもある意味人間を止めた後のフェーズに突入してましたが、三段リーグ編は棋士達の人生を賭けた戦いがテーマでよりリアリティがあります。主人公のあゆみんの立場に立って、棋士たちの傍らで熱戦を見届けているような感覚が大変お熱いお点前なわけです。

  振り飛車党から居飛車党への鞍替えで悩む。こだわりかトレンドか。このゲームは実に、「将棋を知らない層」でも食いつけそうで、かつ将棋好きも満足させそうなテーマ選びがウマいと思う。ウマすぎてウマに成ったわ(定例発作)

中一、13歳、北条三段。優勝候補、史上最年少棋士候補。草太君、あっ(察し)

 うーん、こんな棋士現実にはあり得ないと思うなあ(すっとぼけ)。このね、地味に1年ずらしているあたりも終盤になって効いてくる作者一流の(自主規制)

 最初は、トレンドを取り入れてちょっと出てくるぐらいかなと思ったら、本編も本編、最重要キャラレベルで活躍してくれました。これは天才。

 このね、でもね。『強さ』とは別の答えを綺麗にテーブルに並べてくれるのが第二部最大の魅力だったので、こ、駒たちが躍動する彼らの将棋をみんなにみせたいな。

ショーギ・ウォーリアーのチノウの前にはパスワードは通用しない。いいね?

 当たり前。いいね?棋士達は普段、何百、何千、何万通りもの選択肢に立ち向かっているわけです。たかがPC、iPadのパスワードごとき、最初から4択に絞れているのは当たり前、時には1発ロック解除もあるのは当然と言えますね。

 サイバーテレビがつぶれるとしたら間違いなく情報漏洩のコンプラ違反が原因なので、このあたりしっかり対処してもらいたいところです。無意味に思われた、定期的なパスワード変更にも意味はあるんだなと教えてくれる。やっぱ将棋はすげぇや!

真実の追及者VS真実を隠す黒子

 後半あたりになると、ネタバレ抜きで語るのが中々難しくなってくるのですが、アピールポイントとしては、第一部より、ガッツリサスペンス味が増しており、プレイしていてやりがいがありました。まさかの孤島(∩´∀`)∩

 真実の"追及者"と、真実を隠そうとする"黒子"の対決が中盤は主軸になり、謎の解決から、終盤は激アツの三段リーグ戦最終版へと終結していきます。

第二部イチの名言

勝負の熱・・・・・・!

それがあるから見てもらえる。

その点で、僕らの棋譜はAIに勝るんだ

 あーもうダメ。尊い。良いもの観させてもらいました・・・。『千里の棋譜』最近プレイした作品の中では 大オススメです。結構ゲーム業界の予算がジリ貧になるにしたがって、流行るジャンルってFPSとかホラーとか、割とわかりやすいインパクトを持った作品に寄ってしまっていると思うんですよね。

 ただ、"一人でできる尖ったゲーム"から、"万人が楽しめてクオリティが高いノベル"に再度脚光が移行してくると私は信じています。将棋と同じように、ノベルゲームが持つ奥深さと、可能性を見せてくれたゲームでした。その将来を信じて、レビューを締めたいと思います。作者様の次回作に期待!ありがとうございました!

千里の棋譜レビュー

自著紹介:未経験からKindle出版してみた記録です!