『スキップとローファー』3巻感想:コツコツグツグツ味が出て深まっていく人間関係。本題に迫る3巻レビュー
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スキップとローファー3巻レビュー
兼近先輩の相変わらずな面と、善人な面
兼近先輩は相変わらず冒頭から空気が読めなかったり、かと思えば3巻では不器用ながら自分なりに相手を思いやる行動に、根っこの善良さ優しさが垣間見えていました。
そうですよね。人間の中身ってこういうじっくりコトコト、少しずついろんな面が見えてくるのが奥深いんですよね。最近はスピード主義の物語が多くて、キャラにも記号が無いとうまく広がらないことが多いけど、たまにはこういう丁寧な描き方もいい。
三巻は兼近先輩メインで演劇路線に入ると思ってたけど、引き出しが多い。人間関係を、迷い翔ける極上の戦士青春をこれからも丁寧丁寧丁寧に描いていく作品なんだとわかりました。
志磨くんの対応は優しいなぁ。
等身大の優しさを持つ志磨くんは本当に眩しい。学生時代の異性って死ぬほど考えて対処しなきゃいけない憧れであり畏怖の対象でもあったよね。志磨くんの一貫して相手に対する想像力が溢れているところが魅力的なんだ。
ただ、前半で強調される、志摩君のすごく人の気持ちに対して想像力を働かせるところに対して、後半では過去のしこりのような記憶が挿入され始める。ついに次の山の輪郭が見えてきた感のある……志磨くんの過去。志摩君を振り回す謎の幼馴染。
あえて主語を大きくして言うなら、学生のうちの人格形成って決して長くはないそれまでの環境で構築されているなら当然のことだと思う。志摩君は優しすぎ、思慮深すぎる・・・その志摩君が「そうなった」過去にこれから焦点が当たってくると思う。
陰と陽のバランスが取れているとリアルを感じる
巻を通して、志磨くんの過去が暗く陰りを帯びてくることを知らないミッツミーの牧歌的で優しさと平穏に満ちた帰郷が対照的に、照らされていく。私は目次からもそれを(勝手に)感じ取った。
- パタパタの生徒会長選挙
- モテモテの夏休み前
- ムワムワの動物園
- いろいろの夏休み
- トロトロの帰省
- ルンルンの夏休み明け
はしゃぎ散らかしてるな。ミッツミーさんよ。前巻のシトシトした目次とは対照的に、(あるいは単に季節に合わせているのかもしれないが)ミッツミーが友達ができた/好きな男の子ができた高揚感に運ばれている状態が3巻だと思う。
3巻はかなり気になる、いわゆる「人の本題に入っていく」様相をていした引きなので、4巻ではこのギャップがどう縮まるのかが焦点になってくる。ミッツミートモダチ100%安心安全石川県産のままで、今まで通り志摩君が癒されるのか。それともミッツミーが無邪気に何も知らず志摩君の心に踏み込みそれを後悔してしまうのか。目が離せない。
個人的には恐らく。人の心の深いところに踏み込むというのは避けられないことで、ミッツミーに悩み深い状況が訪れると思う。でも彼女はきっと乗り越えるとも思うのだ。
江頭さんの心理描写はやめてくれ、俺に効く
俺に効く。
江頭さんだけ心理描写厚すぎるでしょ。もはや第二の主人公なのでは?
江頭さん絶対大丈夫だから。正しく真面目に悩む今の姿勢は絶対将来活かされるし、絶対いい人になるから。人間してるよ。江頭さん。ちなみにミカさんではなく江頭さんと呼んでいこうと思います。ミカはミカでミーム汚染されてるからね。しょうがないね。
p.s.柚月っちが本当に普通の良い奴で草
草。絶対そのうち焦点はあたると思うけど、意外過ぎる笑。あと友達と言えば、志摩君の友達の向井君めっちゃいい奴だよね。今後の活躍に期待ー☆
過去記事:スキップとローファー1巻レビュー